株で損切りしない投資家は元本を守ることができない!

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

こんにちは。「投資の教養」の紫垣英昭です。

僕は2013年暮れから、「ニッポン人投資家が強くなれば、ニッポン経済は復活する」をコンセプトに、とにかく日本の個人投資家が、どうすれば強くなれるかということをを常に考えながら、日々活動を行ってきました。

そこでまずやったことは、僕が現役の証券ディーラー時代からずっとやってきている

・金利、マクロ指標などを読み解き、中長期での相場の予測手法
・出来高分析、時間、日柄分析手法
・資金管理手法(これ、もっとも大事)

これらの絶対に投資家なら身に付けなければならない手法を、自分のプログラムや、セミナー、または3冊の著書などで、公開させていただきました。

僕の話を2010年くらいから僕の話を聞いている人、僕のお客さんや、周りの人はご承知だと思いますが、「2012年11月から株価は18000円まで上昇し、ドル円は、120円~125円がターゲットになる」また「2016年から2017年にかけて株価は急落し、ドル円は100円を割れる」と一貫して主張してきましたが、これらの主張が実現してしまったのです。

2012年からの上昇で得た利益以上を、今回の株価、ドル円の急落で多くの個人投資家は多額の損失を抱え、元本を守れていない状況にあるようです。

このようなことは、過去数百年に及ぶ相場の世界では、繰り返し行われています。

なので、そろそろ気付いてください。

これからの個人投資家は「元本を守る」という視点に立ち、投資をしなければならない。ということに・・・。

 

僕がやっている「超実践的 急騰株短期売買で成功するための7ステップ」で、16日間の「無料通信講座」でもこのことをお伝えしていますので、ぜひ登録してみてください。
http://www.toushi-ryugi.jp/lp/

この記事を読んで得られること
  • 「元本」を守ることの重要性に気付ける
  • 「元本」を守るための考え方を学べる
  • 「元本」を守りながら資産を増やす視点がわかる

“儲けることだけ”を目的にしていると、必ず“投資元本”を失う

まずは言葉の定義から。当たり前ですが、株式投資をはじめとするすべての投資には必ず、投資を行うための「資金」が存在します。

たとえば、銀行預金から50万円を引き出し、この50万円を証券会社の口座に入金し、投資を始めた場合、この“50万円”という金額が「投資元本」となるのです。つまりこの「投資元本の50万円」を割り込むということは、損失を被るということを意味します。

たとえば、「投資元本50万円」で投資を始め、当初の50万円が80万円まで増えたとします。

そして、80万円増えた時点から、仮に20万円の損をした場合は、

80万円-20万円=60万円

となるので、この場合は「投資元本の50万円は確保できている」ということになります。

成功率100%の投資などは存在しませんから、増えたり減ったりしながら、投資元本の50万円を割り込むことなく、資産を増やすことが、我々の一番の目的ということになります。

 

でも最初は「儲けること」しか考えないもの・・・

しかしほとんどの新規参入組の個人投資家は、投資元本の50万円を元手に「どうやって儲けるか」ということに1点のみに集中することがほとんどです。

この時点で「投資元本を守るぞ!」と考える個人投資家は、ほぼ皆無といって過言ではありません。
それも当然なことで、お金をできるだけ増やしたいから、株式投資をするわけで、元本は絶対に失いたくないなら、そのまま銀行に預けていればよいいのです。

問題は「儲けることだけ」に集中してしまうことなのです。
実はこの心理状態こそが、元本を失う大きな要因になっているのです。

 

「儲けることだけ」に集中することがなぜいけないことなのか?

ではどうして「投資で儲けることだけ」に集中してはいけないのでしょうか。
それはどうしても「攻めのスキルだけ」に偏ってしまうからなのです。

我々プロ投資家の共通認識として、「利益の源泉の80%は資金管理手法が占める」というのがあります。

ざっくりいえば、こんな感じです。

プロは、100万円儲けて、50万の損失で抑えます。結果、50万円のプラスになります。
一般投資家は、100万円儲けても、130万円損をします。
結果、マイナス30万円という結果になります。

では、どうしてこのような状況に陥ってしまうのでしょうか?

 

「失うこと」への恐怖、抵抗感

「儲けることだけ」に集中することで、お金を増やすということへの意識は高まるでしょうが、「お金を失う」ことへの意識は無い状態になります。

したがって「お金を失う」こと、つまり損失に対する抵抗感、恐怖感が投資家を支配してしまい、そこから目を背けてしまいます。

「死神」は、この心理を見逃しません。あなたを間違った方向に導く仕掛けを実行します。

「明日になったら、きっとプラスになるはずだ」とか「もう少し持てばきっと上がるはず」など特に根拠もなく自分に都合の良い解釈をし始めるのです。

このような心理状態に陥ったら、もう損失を確定することが困難になってくるのです。
他に収益機会があっても、それにリーチすることができず、含み損はどんどん拡大し、結果的に「投資元本」を失ってしまうのです。

 

リスクを取り過ぎる

一般個人投資家のポジションをみていていつも思うことは、「みんな過大なリスクを取り過ぎている」ということです。

「一刻も早くお金を増やしたい!」

僕も含めて、誰しも思うことですね。なのでその気持ちは痛いほど理解できます。
ただこの心理はとても危険で、「死神」はあなたを賭博場に誘い込みます。

僕は自分のスクール生に対して、株式、日経先物の売買スキル向上のための個人指導を行っていて、みなさんのポジションの作り方、利益目標について、膨大な量のヒアリングを行っています。

そこで思うのは、ほぼ100%の人たちは、通常負えるリスクの何倍ものリスクを負っているという現実です。
なぜそうなるかといえば、「一刻も早くお金を増やしたい!」心理が前面に出てしまっているからです。

この心理状態の始末が悪いのは“たまに上手くいってしまうこと”です。
たまたま大きなポジションを取って、予想以上の利益を手にした投資家はどうなるかというと、必ず「二匹目のドジョウ」を狙いにいくのです。

しかし良いことは頻繁には起こりません。
次の投資で、利益以上に資金を失い、結果、「投資元本」が守れないということになるのです。

 

売買の決定権を他人に渡してはならない

「売買の決定権」は、絶対に他人に渡してはなりません。

これはどういうことかというと、世の中には「投資顧問会社」というものが存在します。
つまり「会費を払ってくれたら、これから急騰する銘柄を教えます!」というサービスですね。

このように「投資顧問会社」に会費を支払って、銘柄情報などの助言サービスを受けること自体悪いことではありません。

しかし、お金を支払って得た情報は投資家本人ではなく、投資顧問会社が主導権を持つことになります。

少し想像してみてください。お金を支払った後、このようなやり取りが行われます。

相手「では、○○会社の株を買ってください」

あなた「わかりました」「○○会社の株を1万株約定しました」

相手「では、利益確定時にまたご連絡します」

あなた「株価が下がっているんですが大丈夫でしょうか?」

相手「大丈夫です。近々、良い材料が出るからしっかり持っていてください」

あなた「また株価が下がっています。本当に材料出るんですか!怒」

相手「もうすぐです」

あなた「かなり損が出ています。どうすれば良いですか?」

相手「では、他の銘柄に乗り換えましょう。今度は大丈夫ですよ!」

あなた「・・・・」

話をわかりやすくするために、少し極端に書きましたが、本当にこういったやり取りが実際に行われているのです。

投資顧問会社の名誉のためにいいますが、わざとお客さんに損をさせようとしているわけではありません。
しかし彼らといえども、会費をもらっているからといって、すべて成功するわけではないということなのです。

ここでの一番の問題は、売買の判断が“あなたのコントロール下ではなくなっている”ということなのです。
最終的な売買判断は、実際に投資を行っている“あなた”になくてはなりません。

つまりこれが、「売買の決定権を他人に渡してはならない」という意味なのです。
以下の音声は、個人投資家として生活するために、「元本を守ること」がどれだけ重要かということを解説した音声です。

必ず聞いてください。

「投資家として生活したいなら、元本を守るという視点を持つ」
 

 

では、どうすれば「元本」を守りながら、資産を増やせるのか?

先ほど、我々プロ投資家の共通認識として「利益の源泉の80%は資金管理手法が占める」ということをお話させていただきました。

「元本」を守りながら、資産を増やすためには、あなた自身の投資行動に関する“視点”を変えなくてはなりません。
それは、「儲けること」ではなく、「いかに元本を守るか」という“視点”にシフトすることです。

これはすなわち「生き残る」ことと同義です。
「いかに元本を守るか」という“視点”にシフトさせなければ「生き残る」ことは極めて困難になるでしょう。

「ヘッジファンドの帝王」との異名を持つ、世界的著名な投機家である、ジョージ・ソロスは、「市場においての生存とはすなわち“元本を守る”ということである」と述べています。

あなたが取ったポジションが、もし含み損を抱えているなら、なにかしらの手を講じる必要があります。
含み損は“ガン細胞”そのものです。放っておけば、死につながる恐れさえあるのです。

 

まとめ

今回の記事は、これまで書いてきたブログ記事で一番重要な内容だと思います。

「元本を守る」ということがどれだけ大切で重要で、絶対に身に付けなければならないスキルだということは、僕がこれまで30年間に渡る相場人生の中で、身を持って体験しているからです。

「元本を守らなければならない」ということを思いながらも“悪魔の囁き”によって、投資元本どころか全財産を失った経験を持っています。

たった100万円という小資金を元手に、元本を失わない投資を続けることで、100倍以上の資産にし、復活することができたのです。

投資元本を守りながら投資をすることができれば、あなたは大きな資産を手にすることができるはずです。

このことは、僕が保証します。

 

紫垣 英昭

この記事をかいた人

投資家 / オープンエデュケーション株式会社代表取締役。1964年大阪生まれ。甲子園出場経験者。大学卒業後、証券会社に勤務し、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を担当。証券会社退職後、株式投資をはじめ、 日経225先物、FX等の売買指導を行い、個人投資家から絶大なる信頼を得ている。証券会社時代に培ったスキルを投資初心者でも理解できるよう売買指導を行い、今では3000人以上の受講生を抱え、「真に自立できる個人投資家」を輩出するために積極的に活動している。著書に『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』(幻冬舎)『億を稼ぐ投資法則』(ユウメディア)『少額資金で儲ける株ゴー ルデンルール』(ユウメディア)がある。