投資のプロが教えるネット株初心者が成果を出すための考え方

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

こんにちは。「投資の教養」の紫垣英昭です。

今回の記事は、「“成功体験”を積み重ねることが、上達への早道!」というテーマでお話をしていきたいと思います。

これまで『個人投資家として生活するために、絶対に心得ておくべきこと』という音声を聞いていただいたかと思いますが、今回のテーマは4回シリーズの最終回になります。

この記事の最後の方に音声をご用意していますので、ぜひ聞いてください。
これまでに公開した1回~3回の音声は以下になりますので、繰り返し聞いてみてください。

個人投資家として生活するために必要な投資マインドについて

個人投資家として生活するために必要な株の目標設定とは

株で損切りしない投資家は元本を守ることができない!

この記事を読んで得られること
  • 投資で資産を増やすための一番の近道がわかる
  • 自分の思う結果を手にするこための方法がわかる
  • 「売買のスタンス」の重要性に気付ける

投資で資産を大きくするための一番の“近道”とは・・・

「この100万円を1年で1億円にしたい!」、「株で儲けて10年後には、会社を辞めてリタイアする!」、「毎月100万円を株で稼ぐ!」

株式やFXの投資をしているひとは、このような願望を抱くもの。

それ自体はなにも悪いことではありません。

しかし、結果を急ぎすぎると、ほとんどのケースで失敗に終わります。それはいったい何故なのでしょうか?

 

イチロー選手は、次のようなことをいっています。

 メジャーリーグで活躍している、イチロー選手は、さまざまな心に響く言葉を残していることで有名です。その中で、僕がもっとも好きな言葉があります。それは・・・

「いま小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行く、ただひとつの道なんだというふうに感じていますし、激アツでしたね、今日は」≪出所:イチローの頭脳(児玉光雄著)≫

という言葉です。

この言葉は、2004年10月1日、シスラーのシーズン通算安打記録を抜いた試合後のインタビューで語られた言葉として、とても有名です。

株式投資の世界に足を踏み入れたときは、誰しも大きな夢、壮大な思いを描くものです。

しかし大抵の場合は、その夢や思いを実現することはありません。

理由はカンタンです。それは“小さい成功体験の積み重ねが無い”からなのです。

 

小さな成功体験とは、どういうことなのか?

では「小さな成功体験」とは、いったいどういうことを言うのでしょうか?
これは、なにも投資に限ったことではありません。

たとえば、仕事であれば、新入社員のときは、右も左もわからない状態ですが、先輩社員に仕事を教えてもらい、失敗を重ねながら仕事を覚えていきます。

そして工夫を重ねながら、より仕事の成果を実現していきますね。

あるいはスポーツならゴルフをしている方も、きっと多いことでしょう。

僕は、はじめてゴルフクラブを手にして、打ったときのことを鮮明に覚えています。最初は見事に“空振り”です。笑

僕は野球をしていたので、動くボールを打つ練習を長年やってきました。

だから「止まっているボール」を打つことなど“カンタン”と思っていましたが、これがメチャクチャ難しい・・・。笑

でも、空振りしながら少しずつ、止まっているゴルフボールを飛ばすことができるようになりました。

もちろん、スコアはぜんぜんダメですが、最初の頃から考えると、なんとか形になってきました。

このようにどんなことでも、最初は思った通りにいかなくても、「小さな成功を積み重ねていく」うちに思ったような成果を得られるようになってくるものです。

実は「投資の世界」もまったく同じで、最初から上手くいく人などいません。

たまたま“ビギナーズ・ラック”で儲けてしまうこともあるのですが、当然、長続きすることはありません。

一番のキモは「小さな成功を数多く積み重ねること」が、投資で資産を大きくするための一番の“近道”だということです。

 

『投資家として生活するために、“小さな成功”を積み重ねること』

 

 

魔法は存在しない

2000年以降、日本でも株式取引のIT化が進んだことで、より個人投資家の思考が「魔法の公式」を求めるようになりました。

書店やネット上では、「ほったらかしで大儲け」、「勝率9割で、1000万円儲ける」など目を疑うようなキャッチコピーが蔓延っています。

「胡散臭いな~」とは思いつつ、「もしかしたら・・・」という期待感からアクセスしてしまい、気付けば、ノウハウばかりを買い漁り、利益は「ゼロ」という方が現実にはたくさんいらっしゃるようです。

世界的著名な投資家である、ウォーレン・バフェットも、インタビューで以下のようなコメントをしています。

「人々は“公式”を求め、それをコンピュータに打ち込み、カネが逃げていくのを呆然と見守ることになる」と・・・

イチローのようにヒットを量産する「魔法の公式」が存在しないように、投資の世界でも『魔法の公式』は一切存在しません。

それを追い求めるようになった時点で“負け”なのです。

では、どのようにすれば自分の思う結果を手にすることができるのでしょうか?

 

まずは、短期間で大きな成果を求めないこと

誰しも人生には限りがあることを理解しています。

なので、出来るだけ早く、思い通りの成果を手にしたいと考えるもの。

しかしこのような考え方は、リスクを取りすぎる結果となり、思う結果は実現しません。

よって、投資は少なくとも10年単位の長期で成果を得るものと考えてください。

結果を急ぎすぎると、ロクなことはありません。

 

株式投資の全体構造を理解することからはじめる

初心者の多くは、「この100万円をどこに投資をすればいいのか?」ということから考え始めます。つまりすぐに“収益”という結果を求めます。

これは、ゴルフで玉を前に飛ばすことができないうちから、「どのクラブを使えばバーディーを取れるのか?」といっているのと同じです。

ルールも知らない、まともに玉を打つこともできないうちから、結果を求めても意味がありません。

したがってまずは「株式市場の全体構造」を理解する必要があります。

つまり取引の基本ルールです。

「株式市場の全体構造」を知るのにお金はほとんどかかりません。

書店に行けば入門書がたくさん売られています。

それを2冊くらい買って勉強すれば、ほぼ8割方は習得できます。

本で得られる知識はあくまでも「基本中の基本」です。

しかし、基本をおろそかにすると、何事も身に付きません。

何十年も株をやっている個人投資家でも、以外に基本を知らない人が多いのが現状です。

なので、あなたがやることは、まずは基本をしっかり覚えることからはじめるようにしてください。

 

証券会社が行う「無料セミナー」に行ってみる

 本で基本を学んだなら、次にやって欲しいのが、証券会社が主催する「無料の投資セミナー」に出かけてみることです。

証券会社のセミナーでは、いろんなメニューがあります。

一度、インターネットで「証券会社 セミナー」で検索してみてください。

するとたくさんのサイトが出てきますね。

WEB上でのセミナーも数多くありますので、タイトルを見て面白そうなセミナーにアクセスしてみてください。

ちなみに僕も「無料のオンライン通信講座」をやっています。

すでに累計で、3000名以上の方が、僕の「無料のオンライン通信講座」を受講していただいており、数万円の有料並みの内容なので、かなり高い評価をいただいています。

もし良ければ、一度登録してみてください。

「超実践的 急騰株短期売買で成功するための7ステップ」
http://www.toushi-ryugi.jp/lp/

 

長期の「目標設定」を明確にする

ある程度、「株式投資の全体構造」など、基本的な知識を抑えたら、次にやっていただきたいことは、「長期間の目標設定」です。

まずは、投資金額を明確にする

まずは、投資金額を明確にしましょう。投資金額は大きく分けて、2通りあります。

ひとつは「今、保有している資金」
もうひとつは「追加できる資金」です。

今、持っている資金に、定期的に積み立てのように追加できるなら、その計画を立てていきます。これで、将来にわたって、自分がいくら投資にお金を振り向けているかが明確になります。あくまでこれは「予定」でかまいません。随時、変更も可能です。

 

どれくらいの収益を狙うのか?

投資する金額が明確になれば、次に、どれくらいの収益を狙うかを考えてみます。ここで注意していただきたいのが、「現実的な収益」を狙うことです。

「毎年、資金を2倍にする」、「投資資金の100倍にする」など、非現実的なことを考えても意味がありません。

したがって、あくまで現実的な収益目標を考えてみるのです。

 

では、いったいどれくらいの収益目標が、現実的なのでしょうか?

なかなか一概にはいえませんが、世界的に優秀なヘッジファンドでも、年間収益は20-30%程度です。

なので、まずはこれくらいの収益目標からスタートしてみてはいかがでしょうか?

収益目標の考え方として、「72の法則」という考え方を活用してみてください。

 

最初は実際に資金を投じることなく、シミュレーションをやってみる

はじめはいきなり資金を投じるのではなく、「買ったつもり」「売ったつもり」でのシミュレーションをやってみることをおすすめします。

「シミュレーションは意味がない」という方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。

確かに自分の資金を投じているときと、そうでないときは、心理的に大きな違いがあるのは事実です。

しかし、初めは感覚的なものを掴むには、一定のシミュレーションは効果的だというのが僕の考えです。

いきなり資金を投じてお金を失うリスクは、できるだけ排除したいというのが理由です。

ある程度、あなたの見込みに自信がつくまではシミュレーションをやってみてください。

 

「やること」、「やらないこと」を明確にする

実際に株式投資をしていく中で、知識、技術的に習得しなければならないことがたくさんでてきます。

しかし、すべてを習得することは無理がありますし、普段、お仕事をされている方ではなおさらです。

基本を学び、理解し、そしてシミュレーションをする段階では、あなたがどのような“投資スタンス”をやろうとしているのが、ある程度固まってくるはずです。

つまり、「売買のスタンス」です。

「売買のスタンス」は、大きく分けて3通りになります。

1.中長期投資:数ヶ月から1年以上の投資

2.短期売買:数日から数週間の投資

3.デイトレード:1日で売買を完結させる手法

おそらくは、多くの初心者は「中長期投資」からはじめることになると思いますが、この3つのパターンからあなたの目標を達成させるための「売買スタンス」を決めてください。

そして、決めた「売買スタンス」に特化して、それに関する知識、技術、経験を積み重ねてください。

この時点で、「やること」、「やらないこと」が明確になるはずです。

つまり「中長期投資」に決めた場合、「短期売買」や「デイトレード」の知識や技術は不要になります。

このように最初は広く知識を吸収し、実際に売買をやる時点では、その範囲をどんどん狭めて、自分がやろうとしていることだけに集中するのです。

そしていざやってみて、「投資スタンス」を変更する場合は、その「売買スタンス」に合わせた知識、技術に特化して経験を積んでいくのです。

いずれの場合も、短期的な成果を求めるのではなく、「小さな成功を積み重ねていく」ことに集中していただきたいと思います。

 

まとめ

今回、僕が一番言いたかったことは、「はじめから大儲けを狙うのではなく、とにかく小さくてもいいから、成功体験を積み重ねること」をやっていただきたいということです。

そして、それを実現するため、株式投資の一番最初の入り口で、何から始めればいいのかという「アクションプラン」の部分についてお話をしました。

株式投資はとても範囲が広く、奥が深いものです。

ときとして、自分がどこにいるかさえ、わからなくなることがたくさん起こります。

そんなときこそ、目の前のことを確実にこなして、「小さな成果」を積み重なることがとても大切になってくるのです。

「小さな成功を数多く積み重ねること」が、投資で資産を大きくするための一番の“近道”だということを忘れないでいただきたいと思います。

 

紫垣 英昭

 

この記事をかいた人

投資家 / オープンエデュケーション株式会社代表取締役。1964年大阪生まれ。甲子園出場経験者。大学卒業後、証券会社に勤務し、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を担当。証券会社退職後、株式投資をはじめ、 日経225先物、FX等の売買指導を行い、個人投資家から絶大なる信頼を得ている。証券会社時代に培ったスキルを投資初心者でも理解できるよう売買指導を行い、今では3000人以上の受講生を抱え、「真に自立できる個人投資家」を輩出するために積極的に活動している。著書に『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』(幻冬舎)『億を稼ぐ投資法則』(ユウメディア)『少額資金で儲ける株ゴー ルデンルール』(ユウメディア)がある。