景気サイクルは株式市場の値動きにどう影響?景気循環に敏感な銘柄もチェック

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

株式投資において銘柄選びや銘柄分析は重要な要素を占めますが、全体相場を考える上では景気サイクルについて理解しておく必要があります。

ある個別銘柄のファンダメンタルやテクニカル面がいくら「買い」を示していたとしても、景気サイクルが悪く、日本株全体が売られる局面にあれば下がる可能性の方が大きくなってしまいます。

内閣府は、2012年12月から始まった景気拡大期は2018年10月までの71ヶ月だったと認定しましたが、日経平均株価は景気サイクルと同期していたのでしょうか?

2020年の新型コロナ相場は、景気サイクルでは説明できない株高になりつつありますが、全体相場にも影響する景気サイクルを認識しておくことが株式投資で重要であることには変わりありません。

今回は、景気サイクルの基本的な概要や株式市場との関係について解説した上で、景気サイクルに影響を受けやすい代表的な景気循環株についても取り上げていきます。

この記事を読んで得られること関連記事
  • 景気サイクルとは何かがわかる
  • 景気サイクルが株式市場に与える影響がわかる
  • 景気サイクルに影響を受けやすい景気敏感株(シクリカル銘柄)がわかる

1.景気サイクルとは?

株式投資においても重要な景気サイクルの基本について抑えておきましょう。

1-1 景気サイクルの基本概要

景気サイクルとは、経済活動において循環的に見られる変動のことです。「景気循環」や「景気変動」、「景気の波」など、さまざまな呼び方があります。

景気は常に上昇し続けることはありませんが、逆に、常に下降し続けることもありません。

景気は上昇と下降を繰り返すものであり、景気の上昇が続いている時期は「好景気(好況)」景気の下降が続いている時期は「不景気(不況)」と呼ばれます。

景気動向をチャートにしてみると、景気の上昇が続く好景気の時期は山のようになり、景気の下降が続く不景気の時期は谷のようになります。

景気動向を示す指数としては、政府が発表している「景気動向指数」が広く知られています。

また、毎月の景気動向を示す「月例経済報告」や、地域経済の動向を示す「地域経済報告」なども有名です。

1-2 景気サイクルと株式市場の関係

株式投資をする上では、景気サイクルを認識して全体相場の状況を踏まえておくことが非常に重要です。

ある個別銘柄のファンダメンタルやテクニカル(チャート)がいくら「買い」を示していたとしても、景気サイクルが悪く、日本株全体が売られる局面にあれば下がる可能性の方が大きくなってしまうためです。

また、株式市場は、景気サイクルより一足早く反応する傾向があります。

景気サイクルは、山の部分である景気拡大期と、谷の部分である景気後退期の2つの大きなトレンドに分解することが可能です。

さらに、景気拡大期は、①景気拡大が始まったばかりの時期、②景気拡大が続いている時期、③景気拡大期の終わりの3つの時期に分けられます。

また、景気後退期も、④景気後退が始まったばかりの時期、⑤景気後退が続いている時期、⑥景気後退期の終わりの3つの時期に分けられます。

上記6つの時期について、株式市場は一般的には次のように反応します。

景気サイクル

景気拡大の始まり

景気拡大

好景気の終わり

景気後退の始まり

景気後退

景気後退の終わり

株式市場

上昇↑

上昇↑

下落↓

下落↓

下落↓

上昇↑

ここで重要なことは、株式市場は景気より早く反応する場合が多いため、好景気が終わりかけている時期には下落し、一方で景気後退の終わりには一早く上昇するということです。

特に、景気拡大の終わりから景気後退に入りそうな時期は、上昇トレンドの終わりと重なることから、下落幅が大きくなりやすいため注意が必要です。

2.日経平均で見る景気サイクル

実際の景気サイクルと日経平均株価の動向を見ていきましょう。

2020年7月30日、内閣府は、2012年12月から始まった景気拡大期の山を2018年10月までの71ヶ月と認定しました。

つまり、2012年12月から2018年10月までは景気サイクルの「景気拡大期」に該当したということです。この期間について、日経平均株価の動向を月足チャートで見ていきましょう。

第二次安倍内閣が発足してアベノミクスが始まった2012年12月(上図青丸)から、景気拡大期の終わりと認定された2018年10月(上図赤丸)まで、日経平均株価は大きく上昇していることは明らかです。

また、チャートをよく見てみると、景気拡大期の始まりとなった2012年12月以前から、株価は下げ止まり上昇基調になりつつあったことが分かります(上図青丸の左側チャート)。

一方、景気拡大期の終わりとされた2018年10月は、米中貿易摩擦による世界株安となりましたが、その2ヶ月後にも大きな下落となりました(上図赤丸の右側チャート)。

株式市場は景気サイクルに敏感に反応するため、景気拡大期入り直前には景気に先駆けて上昇し、景気拡大期の終わりには景気に先駆けて下落する傾向があります。

新型コロナによって経済の先行きは不透明ですが、今後も景気サイクルと日経平均株価の動向は要注視していく必要があることは間違いありません。

3.景気サイクルに影響を受けやすい景気敏感株(シクリカル銘柄)とは?

株式市場は景気サイクルに敏感に反応するため、日経平均株価やTOPIXのような株価指数は景気サイクルの影響を大きく受けます。

また、株式市場には、株価指数よりも先駆けて景気に敏感に反応する銘柄があります。このような銘柄は「景気敏感株」や「シクリカル銘柄」と呼ばれています。

景気敏感株は、ディフェンシブ銘柄の対極に位置するハイリスク・ハイリターン銘柄です。

社会インフラや食料、医薬品など、景気動向の影響を受けない事業を手掛けている銘柄は「ディフェンシブ銘柄」と呼ばれ、低リスク株の代名詞となっていることは有名です。

一方、景気敏感株(シクリカル銘柄)は、半導体や鉄鋼、工作機械など、景気の影響をより強く受ける事業を手掛けている銘柄のことを指します。

景気敏感株は、上昇トレンドの始まりとなる景気後退期の終わりには真っ先に反発し、下降トレンドの始まりとなる景気拡大期の終わりには真っ先に暴落する傾向があります。

このため、景気敏感株は投資上級者向けの銘柄となります。

ただ、景気敏感株は、日経平均やTOPIXより早く、景気サイクルに先駆けて動くため、一つの先行指標として活用することも可能です。

景気敏感株の動向を注視しておけば、景気敏感株が上げてから出遅れ株を買う、景気敏感株が暴落したら暴落前の保有株を売り抜ける、といった投資行動を取れる場合があります。

4.代表的な景気敏感株

具体的な景気敏感株(シクリカル銘柄)である半導体、鉄鋼、工作機械の3セクターについて代表的な銘柄を見ていきましょう。

4-1 半導体関連銘柄

今や、あらゆる電子製品の製造に欠かせない半導体市場の動向は、世界経済の状態を測るバロメータです。

日本企業は、半導体メモリにおいては世界的企業がなくなってしまいましたが、半導体製造装置や半導体の製造に欠かせないシリコンウエハーにおいては世界的企業を多数抱えます。

つまり、日本株の半導体関連銘柄は、半導体製造装置やシリコンウエハーなどを手掛けている銘柄を指します。

シリコンウエハー専業で世界2位の【3436】SUMCOの株価を見ていきましょう。

【3436】SUMCOの月足チャート

SUMCOの株価は、景気後退となった2018年10月に先駆けて、2018年初めから大きく下げていたことが分かります(上図赤丸)。

続いて、世界的な半導体製造装置メーカー【8035】東京エレクトロンの株価チャートも見てみましょう。

【8035】東京エレクトロンの月足チャート

東京エレクトロンの株価も、2017年終わり~2018年初めから下落が始まっていたことが分かります。

もちろん、半導体関連銘柄の動向を見ているだけで景気の先行きが全て分かるとは言えません。ただ、半導体関連銘柄は、景気敏感株として株価を先取りすることが多いことは確かです。

上記銘柄以外では、シリコンウエハー世界1位の【4063】信越化学工業、半導体製造装置メーカーの【6857】アドバンテストや【6146】ディスコなどを抑えておきましょう。

4-2 鉄鋼株

鉄鋼需要は、景気の先取りをする指標になると言われてきています。

日本最大の鉄鋼メーカー【5401】日本製鉄の株価チャートを見ていきましょう。

【5401】日本製鉄の月足チャート

日本製鉄の株価は、2018年の米中貿易摩擦以降は下落が止まりません。日本製鉄に限らず、鉄鋼セクターは全体的に下落トレンドとなっており、コロナショックでも大暴落し、その後の新型コロナ相場でもほとんど戻していません。鉄鋼株はここ数年間で最も売られているセクターとなっています。

株価を先取りする景気敏感株という点で見ると、近年は鉄鋼株よりも半導体株の方が先行する傾向が出てきています。

ただ、鉄鋼株はアベノミクスが始まる2012年12月前には上昇していました(上図赤丸)。景気拡大期が始まった2012年12月時点では、鉄鋼株は景気に先行する景気敏感株だったと言えます。

しかし、アベノミクスが始まってから7年以上経った2020年現在は、スマホの普及など産業のIoT化が世界的に進んだことにより、鉄鋼株はかつてのような景気敏感株とは言えなくなってきているのが現状です。

4-3 工作機械メーカー

工場で製品を製造する工作機械の受注状況は、半導体と並ぶ世界経済のバロメータとなっており、「工作機械受注統計」は景気を先取りする先行指標として知られています。

日本を代表する世界的工作機械メーカーの【6954】ファナックの株価を見ていきましょう。

【6954】ファナックの月足チャート

ファナックの株価は、景気拡大期が終わったとされる2018年10月に先駆けて、2018年初めから下げていたことが分かります。

新型コロナ相場でも停滞が続いていますが、これは実体経済をより反映していると見て良いのではないでしょうか?

ファナック以外では、【6586】マキタや【6506】安川電機といった主要工作機械メーカーの株価も抑えておきましょう。

まとめ

今回は、景気サイクルの基本的な概要や株式市場との関係について解説した上で、景気サイクルに影響を受けやすい代表的な景気循環株についても紹介してきました。

景気は常に上昇し続けることもありませんが、常に下降し続けることもなく、山と谷の景気サイクルを繰り返します。

株式市場は、景気サイクルよりも早く反応するため、好景気が終わりかけている時期には暴落しやすく、一方で景気後退期の終わりには一早く反発する傾向があります。

また、日経平均株価などの株価指数よりも、景気サイクルに先行して反応するのが、半導体関連銘柄や工作機械メーカーなどの景気敏感株(シクリカル銘柄)です。

景気サイクルについて理解しておき、株式投資に役立てていきましょう。

紫垣 英昭

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