スイングトレードでストップ高を狙い、最大の利益を得る方法とは

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

あなたは「ストップ高」という言葉をご存知でしょうか?

もし、あなたが買った銘柄が、その後、数日間にわたって「ストップ高」になれば、瞬時に大きな売買益を得られることでしょう。

後ほど詳しく述べますが「ストップ高」とは、その日の値幅制限いっぱいまで上昇する現象のことです。

以下の動画は、金曜日の午後にエントリーして、翌週月曜日の寄付き直後にストップ高で売却し、約20万6000円の売買利益を得たときの動画です。(再生時間:13分)

 

初心者には若干難しいトレードかも知れませんが、しっかり「ストップ高」のメカニズムを学ぶことで、このようなストップ高を狙ったスイングトレードも可能になると思います。

そこで今回は、数日で大きな利益を得るため「ストップ高」という現象を理解していただきたいと思います。

また「ストップ高」とは逆に、その銘柄に対して悪材料やスキャンダルなどで値幅制限いっぱいまで売られる「ストップ安」と現象もあります。

これから「ストップ高」、「ストップ安」をきちんと理解して、スイングトレードを成功に導いていただきたいと思います。

この記事を読んで得られること
  • 「ストップ高」「ストップ安」になる理由が理解できる
  • 「ストップ高」「ストップ安」に遭遇したときの対処法を理解できる
  • 「ストップ高」「ストップ安」になった翌日以降の売買戦略を伝授

ストップ高とは?

「ストップ高」とは、その銘柄が、その日の値幅制限いっぱいまで株価が上昇することをいいます。

もし、買いエントリーした場合、ストップ高まで株価が上昇すれば大きな利益が得られることを意味します。

まずは「ストップ高」になるメカニズムについて、お伝えしていきたいと思います。

ストップ高になるメカニズム

ストップ高は、買い注文が殺到して、値幅制限内にある売り注文が全て買い尽くされてしまうことによって発生します。

ストップ高になる理由は様々ですが、大きなニュースやポジティブサプライズとなる決算が発表されたことによって買い注文が殺到して暴騰するケースが多いと言えます。

大きなニュースを背景にストップ高になる銘柄は、寄り付きから買いが殺到して「特別買い気配」となり、ザラバ中に値が付かないこともザラです。

また、特に大きなニュースはなくても、勢いのある銘柄が買われ続けていって、ザラバ中にストップ高まで到達するケースもあります。

過去のストップ高事例:データSEC(3905)

過去にストップ高になった銘柄を見ていきましょう。

ビッグデータ処理を手掛ける【3905】データSECは、2018年7月7日付けの日本経済新聞で「KDDIが出資する」とのニュースが伝わったことで買い注文が殺到しました。

2018年7月6日には587円で引けていた株価は、ニュース発表後の7月9日には値付かずのストップ高となり、翌日もザラバ中に一時値を付けたもののストップ高に。3日目にも大きく上昇してようやく売買が成立するようになりました。

 

ザラバ中に勢いでストップ高まで上昇するケースは稀であり、多くの場合はビッグニュースを背景にストップ高となることが多いと言えます。

ストップ安とは?

「ストップ安」とは、「ストップ高」とは逆の現象で、その銘柄が、その日の値幅制限いっぱいまで株価が下落することをいいます。

俗に言う「暴落」で、買いエントリーした場合、ストップ安まで株価が急落すれば大きな損失を被ることになります。

もし株価が下落すれば利益になる「空売り」をかけていた場合は、大きな利益を得ることになるでしょう。

では、これから「ストップ安」になるメカニズムについて、お伝えしていきたいと思います。

ストップ安になるメカニズム

ストップ安は、売り注文が殺到して、値幅制限内の価格で買い注文が出ないことによって発生します。

ストップ安は投資家の不安心理を具現化した状態であり、売りたくても売れないことから投資家に更なる不安心理を発生させて、また更に価格が暴落していくという負のスパイラルとなります。

ストップ安になる理由としては、ストップ高と同様に、大きなニュースやネガティブサプライズとなる決算が発表されたことによって売り注文が殺到して暴落するケースが多いと言えます。

ネガティブサプライズが発表されて寄り付きから売りが殺到すると、場合によっては数日間「特別売り気配」が継続して値が付かないケースもあります。

また、大きな不祥事を起こした銘柄が連続ストップ安になってから一旦戻すも、再びストップ安となって更に暴落していくケースも少なくありません。

過去のストップ安事例:TATERU(1435)

過去にストップ安になった銘柄を見ていきましょう。

アパート経営プラットファーム「TATERU」を展開する【1435】TATERUは、2018年8月31日付の日本経済新聞電子版で、建設資金の借り入れ希望者の預金通帳を改ざんし、銀行に融資の申請をしていたことが発覚しました。

このニュースを受けて、売り注文が殺到。3日連続で値付かずのストップ安となり、不祥事発覚前には1,606円を付けていた株価は、4日間で533円まで大暴落しました。

保有していたとしたら、4日目の寄り付きにようやく596円で売買できるまでどうしようもなかったことになります。

TATERUはその後も暴落し、連続ストップ安から値を付けた4日後には、ザラバ中の勢いでストップ安まで暴落したのです。

ストップ高、ストップ安の「値幅制限」を把握しておく

これまで「ストップ高」「ストップ安」についてのメカニズムをお伝えしてきましたが、1日の「値幅制限」とはいったいどのように決められているかを知っている個人投資家は以外に少ないものです。

この記事を読んでいるあなたも、たぶんご存じないことでしょう。

「ストップ高」「ストップ安」の値幅制限は、株価の価格帯によって決められていて、当然、各値幅も大きく異なります。

東京証券取引所では、適性な株価形成と投資家保護を目的に、一日の売買における値動きの幅を価格水準に応じて一定に制限しています。

「値幅制限」は、前日の終値を「基準価格」として、以下の表のように決められています。

例えば、前日の終値が1,250円だった場合の値幅制限は300円となるため、上下に300円の値幅制限を取って、ストップ高価格となる上限価格は1,550円、ストップ安価格となる下限価格は950円となります。

あなたが保有している銘柄の株価によって、その日の値幅制限が決まるのです。

ストップ高、ストップ安に遭遇したときは

僕もこれまで、たくさんの「ストップ高」「ストップ安」を経験してきましたが、その動きはとても早く、いきなり訪れることが多くあります。

そこで、ストップ高、ストップ安に遭遇したとき、どうするべきなのかを考えていきましょう。

利益が出ている場合

ある銘柄を買っていてストップ高になった場合、もしくは空売りしている銘柄がストップ安になった場合は、できるだけ利益を伸ばすべきか、ストップ高(ストップ安)になった翌日に利食いすべきかは難しい所です。

既に大きな利益が出ている場合は、翌日に高く寄り付いた所で利食いして利益を確保してしまった方が良い場合もあれば、トレイリングストップを設定して利益を伸ばしていく方が大きな利益に繋がることもあります。

ストップ高(ストップ安)になった銘柄がどこまで暴騰(暴落)するかは誰にも分からない以上、利食いに答えはありません。自分で決めたルールを守るように心掛けていくしかないと言えます。

利益確定の手法に関しては、株価の暴騰暴落時には当てはまらないこともありますが、以下の記事も参考にしてみてください。

損失が出ている場合(逆ポジション保有時)

ある銘柄を買っていてストップ安になった場合、もしくは空売りしている銘柄がストップ高になってしまった場合は、残念ですが値が付いた時点ですぐに損切りするしかありません。

値が付かないストップ安やストップ高に巻き込まれてしまったら、もはや早めに損切りする以外には対処のしようがないというのが現実です。

損切りせずに保有していれば、反発して損失が小さくなると期待したい気持ちは分かりますが、ストップ安(ストップ高)になる銘柄は更に暴落(暴騰)するリスクが高くおすすめできません。

交通事故のようなストップ高・ストップ安に巻き込まれてしまったときのリスクヘッジとして、1つの銘柄に全資産を投じるようなリスクのある資金管理は避けるように心掛けていきましょう。

また、ニュースによるストップ高・ストップ安は避けようがありませんが、ザラバ中の値動きによるストップ高・ストップ安は早めの損切りによって避けることが可能です。

ストップ高・ストップ安に対する対策は資金管理と早めの損切り以外にありません。相場で長く生き残っていくためにも、リスク管理は徹底するように心掛けていきましょう。

損切りについては、こちらも利益確定同様株価の暴騰暴落時には当てはまらないこともありますが、以下の記事も参考にしてみてください。

 

ストップ高、ストップ安銘柄の売買戦略について

ではこれから、保有している銘柄が「ストップ高」または「ストップ安」に遭遇したとき、翌日以降の売買戦略についてお伝えしていきます。

これからお伝えする売買戦略は、銘柄によってさまざまですので、あくまで参考としてお考えください。

ストップ高銘柄に対しての翌日以降の売買戦略

ストップ高となった銘柄は、翌日にも大きく上昇する傾向があります。

翌日の寄り付きにそこまで大きく上昇しなければ、ザラバ中の上昇を狙って、寄り付きで買って引けまで保有して決済するという順張りの戦略が有効になる場合があります。

一方、翌日の寄り付きに大きく上昇した場合は、既に大きく上昇してしまっているため、寄り付きから順張りで買うのはリスクがあります。この場合は、寄り付きで大きく上昇したのを見計らって、「買われ過ぎ」狙いの空売りをするという逆張りの戦略が有効になるときがあります。

ただし、ストップ高銘柄は更に上昇していくこともザラであるため、ストップ高銘柄への逆張りを仕掛けるときは、逆指値注文を設定して損切りを徹底していきましょう。

ストップ安銘柄に対しての翌日以降の売買戦略

ストップ安となった銘柄は、翌日にも大きく暴落する傾向があります。

特に、ストップ安はストップ高よりも連続する傾向があると言えます。ストップ高による期待感よりも、ストップ安による恐怖や不安といった感情の方が強いことが原因です。

そのため、ストップ安になった銘柄が翌日の寄り付きにそこまで大きく下落していなければ、寄り付きで空売りして更なる暴落による利益を狙うという順張りの戦略が有効になります。

ただし、既に大きく下落している銘柄への空売りは、反発による暴騰が大きなリスクとなるため、損切りを徹底することが重要です。

既に大きく暴落している銘柄が更に暴落した場合は、反発狙いの買いを入れる逆張りの戦略が有効になってきます。しかし、更に暴落するリスクも当然抱えているため、損切りは徹底する必要があります。

ストップ安になった銘柄はリスクが大きいことから、反発狙いの買い、更なる暴落狙いの空売りをする場合のいずれであっても、資金管理と損切りの徹底は必須となります。

まとめ

「ストップ高銘柄」は、頻繁に遭遇できるものではありませんが、注意深く株価を観察し、値動きのボラティリティに着目し、価格変動のスピードを確認することで、冒頭の動画でもあったように、狙ってエントリーすることも可能です。

しかしながら、経験値が必要になることから、まずは市場のメカニズムについて知っておくことが必要です。

「ストップ高」「ストップ安」を利用したスイングトレードは大きな利益を期待できる一方で、ボラティリティーも大きくなりやすいことからリスクも多分に含んでいます。

そのため「ストップ高」「ストップ安」銘柄によるスイングトレードを行う際は、リスク管理・損切りを徹底していくことが最重要です。

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紫垣 英昭