再生可能エネルギー関連銘柄は世界的な環境重視の流れで急騰!注目銘柄は?

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

2020年アメリカ大統領選ではバイデン氏が当選確実としていますが、バイデン政権が目玉政策として掲げているのがパリ協定への復帰を含む環境政策です。

日本でも菅総理が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言しており、環境政策には注目が集まっています。

世界的な環境政策重視の流れから、太陽光発電やバイオマス発電、風力発電といった再生可能エネルギー関連銘柄には大きな資金が集まっています。

今回は、再生可能エネルギー関連銘柄の概要や世界的な環境政策重視の流れについて解説した上で、日本株で注目の再生可能エネルギー関連銘柄についてチャート付きで紹介していきます。

この記事を読んで得られること
  • 再生可能エネルギー関連銘柄の概要や世界的な環境政策重視の流れがわかる
  • 再生可能エネルギー関連銘柄の株価動向がチャート付きわかる
  • “再生エネ相場”では今後どのような政策を注視するべきなのかがわかる

1.再生可能エネルギー関連銘柄とは?

再生可能エネルギーとは、太陽光発電や風力発電、バイオマス発電、地熱発電といった、永続的に利用可能なエネルギーのことです。

「クリーンエネルギー」とも呼ばれ、マーケットでは代表的な環境テーマ株となっています。

再生可能エネルギーは、発電時に温室効果ガスを発生しないため環境に優しく、原発事故のような甚大な事故が発生するリスクがないことがメリットです。

ただ、再生可能エネルギーの技術革新が進んだ現在においても、発電効率や発電コストでは火力や原子力には遠く及ばないのが現状です。

日本の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、固定価格買い取り制度(FIT)が導入された2012年7月から順調にシェアを伸ばしています。

環境エネルギー政策研究所の統計によると、2019年の自然エネルギーによる年間発電量の割合は前年比+1.7%の19.2%となっており、19.2%の内訳は水力発電7.7%、太陽光発電7.6%、バイオマス発電2.8%、風力発電0.8%、地熱発電0.2%となっています。

出典:環境エネルギー政策研究所(https://www.isep.or.jp/archives/library/12745)

統計上では日本の再生可能エネルギーの割合は増加していますが、マーケットでは再生可能エネルギー関連銘柄は長らく注目されないテーマ株になっているというのが現状です。

固定価格買い取り制度による電力買い取り価格は年々下落しており、再生可能エネルギー事業者は厳しい競争の末に集約されていく流れです。

東京商工リサーチの調査によると、2011年から2017年までは太陽光発電業者の参入は増加していましたが、2017年には太陽光発電事業者の廃業数が87件と過去最多となっており、新型コロナの影響もあり2020年も7月までで廃業数が44件に上っています。

2.バイデン政権や菅政権は環境政策を重視する姿勢を打ち出している

再生可能エネルギー関連銘柄は、マーケットでは長らく注目されないテーマ株となっていましたが、2020年秋には流れが変わったかもしれないニュースが続々と入ってきています。

最大の注目ポイントは、アメリカ大統領選で当選確実としているバイデン氏が、環境政策を目玉に掲げていることです。

バイデン氏は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにし、トランプ政権時代に脱退したパリ協定へ早期復帰する方針を掲げています。

さらに、脱炭素社会の実現のために4年間でクリーンエネルギー関連に2兆ドル投資し、EVシフトや再生可能エネルギーの普及を進めていくとのことです。

「持続可能な社会の実現(SDGs)」に向けた環境重視の姿勢は世界的な流れであり、2020年秋にはガソリン車の新車販売を2030年から2040年までに停止するEVシフトの動きも世界各国で相次ぎました。

そして、菅総理も2020年10月26日の所信表明演説の中で、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言した上で、再生可能エネルギーを最大限導入する方針を示しました。

菅政権の方針は具体的な政策としても現れており、河野太郎規制改革相は再生可能エネルギーの活用促進のために太陽光パネルや風力発電設備について規制緩和する方針を発表しています。

バイデン氏が環境政策を目玉に掲げ、世界中でEVシフトが進み、日本でも再生可能エネルギー促進の動きが出たことから、マーケットでは再生可能エネルギー関連銘柄が大きく買われる“再生エネ相場”となっています。

3.太陽光発電関連銘柄

太陽光発電は最も代表的な再生可能エネルギーであり、再生可能エネルギー関連銘柄を代表するテーマ株となっています。

3-1【1407】ウエストホールディングス

メガソーラーを中心に太陽光発電事業を展開する【1407】ウエストホールディングスは、急成長中の再生可能エネルギー関連銘柄です。

【1407】ウエストホールディングスの月足チャート

ウエストホールディングスの株価は一直線の上昇トレンドとなっています。2020年秋の“再生エネ相場”の前から大きく上昇している成長株です。

同社は、メガソーラー建設などの再生エネルギー事業がけん引したことで業績好調で、さらに増配や株式分割を実施したことで上昇に次ぐ上昇となりました。

そして、“再生エネ相場”となった2020年秋には一段高となっています。

3-2【9519】レノバ

太陽光発電はもちろん、バイオマス発電や風力発電、地熱発電といった再生可能エネルギー施設を開発・運営する【9519】レノバは、代表的な再生可能エネルギー関連銘柄です。

【9519】レノバの月足チャート

レノバの株価は、2020年10月から11月の“再生エネ相場”で大きく上がっており、上場来高値を更新していることが分かります。

2020年秋の“再生エネ相場”を象徴する銘柄です。

3-3【3856】Abalance

太陽光モジュールや太陽光モニタリングシステムを手掛ける【3856】Abalanceは、太陽光発電事業に注力するIT企業という、やや異色の再生可能エネルギー関連銘柄です。

【3856】Abalanceの月足チャート

Abalanceの株価は2020年10月から11月に大きく上がっており、出来高も大きく増加していることが分かります。

3-4【1711】省電舎ホールディングス

国内ESCO(エネルギー削減保証)事業の草分け的企業である【1711】省電舎ホールディングスは、太陽光発電とバイオマス発電を手掛けている再生可能エネルギー関連銘柄としても知られます。

【1711】省電舎ホールディングスの月足チャート

省電舎ホールディングスの株価は、長らく下落トレンドとなっていましたが、2020年秋に反発しています。

2020年11月には反発すると同時に大出来高となっており、“再生エネ相場”がいかに注目されていたかが分かります。

3-5【3647】ジー・スリーホールディングス

太陽光発電所の買取・売電事業を手掛ける【3647】ジー・スリーホールディングスは、太陽光発電に強い再生可能エネルギー関連銘柄です。

【3647】ジー・スリーホールディングスの月足チャート

ジー・スリーホールディングスの株価は、2017年から下落し続けており、“再生エネ相場”となった2020年秋にもわずかな反発に留まっています。

3-6【6255】エヌ・ピー・シー

太陽電池製造装置大手の【6255】エヌ・ピー・シーは、太陽光発電の需要が増えることで成長が期待される銘柄です。

【6255】エヌ・ピー・シーの月足チャート

エヌ・ピー・シーの株価は、新型コロナ相場では停滞していましたが、2020年11月の“再生エネ相場”で急騰。

わずか1ヶ月で、コロナショック前の株価を取り戻しました。

4.風力発電関連銘柄

風力発電も、再生可能エネルギーの中では重要な位置付けとなる発電方式です。

4-1【5915】駒井ハルテック

超高層ビルなど大型工事に実績がある鉄骨・橋梁大手の【5915】駒井ハルテックは、風力発電事業を手掛けているため、再生可能エネルギー関連銘柄に位置付けられます。

同社は、日本の地形や気象にあった「日本の風力発電」を提案しており、スカイソーラープロジェクトとして太陽光発電も手掛けています。

【5915】駒井ハルテックの月足チャート

駒井ハルテックの株価は長期的には下落していますが、2020年11月の“再生エネ相場”ではわずかに反発しています(上図赤丸)。

4-2【1934】ユアテック

東北電力系の総合電気工事会社【1934】ユアテックは、風力発電や太陽光発電で工事実績がある再生可能エネルギー関連銘柄です。

同社は、青森県の吹越台地風力発電所や秋田県の八峰風力発電所などで工事実績があります。

【1934】ユアテックの月足チャート

ユアテックの株価は、長期的にはやや停滞しています。2020年11月の“再生エネ相場”でも大きく買われたとは言えません。

風力発電関連銘柄は太陽光発電関連銘柄に比べると数が少なく、再生可能エネルギー関連でも物色される傾向は小さいと言えます。

5.バイオマス発電関連銘柄

バイオマス発電は太陽光発電に次ぐ発電シェアを持つ再生可能エネルギーとなっています。

5-1【9514】エフオン

省エネ支援事業とバイオマス発電の2本柱を手掛ける【9514】エフオンは、代表的なバイオマス発電関連銘柄です。

同社は、木質専焼バイオマス発電所として豊後大野発電所、大信発電所、日田発電所の3ヶ所を運営しています。

【9514】エフオンの月足チャート

エフオンの株価は、長期的には横ばいですが、“再生エネ相場”となった2020年10~11月には大きく買われていたことが分かります(上図赤丸)。

5-2【9517】イーレックス

電力買い取りや自社バイオマス発電事業を手掛ける【9517】イーレックスも、バイオマス発電に強い再生可能エネルギー関連銘柄として注目の銘柄です。

同社は、4基のバイオマス発電所を稼働しており、さらに2基のバイオマス発電所を計画中です。計画中の発電所を含めるとバイオマス発電の総出力350MWとなり、これは日本で最大級となります。

【9517】イーレックスの月足チャート

イーレックスの株価は長期的にも順調で、“再生エネ相場”となった2020年11月には大きく買われました(上図赤丸)。

バイオマス発電関連銘柄は、太陽光発電関連銘柄と並んで、2020年秋の“再生エネ相場”で大きく買われたと言ってよいでしょう。

まとめ

今回は、再生可能エネルギー関連銘柄の概要や世界的な環境政策重視の流れについて解説した上で、日本株で注目の再生可能エネルギー関連銘柄についてチャート付きで紹介してきました。

再生可能エネルギー関連銘柄は、2012年の固定価格買い取り制度(FIT)の導入以降は、長らくマーケットで注目されないテーマ株となっていましたが、2020年には風向きが変わりつつあります。

2020年秋には、アメリカ大統領選で当選確実としているバイデン氏が環境政策を目玉に掲げてクリーンエネルギーに2兆ドル投資する方針を掲げており、世界中でEVシフト(ガソリン車販売禁止)が進み、日本でも再生可能エネルギー促進の動きが出たことが背景です。

太陽光発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギー関連銘柄が大きく買われ、“再生エネ相場”とも呼ばれる好況となっています。

ただ、“再生エネ相場”が短期的な動きに留まるのか、長期的なトレンドになるかはまだ分かりません。今後の環境政策を注視していきましょう。

紫垣 英昭

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