株スクリーニングアプリ|無料の分析ツールで儲かる銘柄を探す方法とは?

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

あなたは、株式市場で取引ができる銘柄の数をご存知でしょうか?

その数はなんと、3557銘柄にのぼります。(2017年5月現在)

僕たち個人投資家は、3500以上ある銘柄から儲かりそうな銘柄を選び取引を行います。

しかし3500以上ある銘柄を監視し続けるのは至難のワザであり、できればより効率的に銘柄を選びたいと思うはず。

そんなときに活用していただきたいのが無料で使える“株のスクリーニングアプリ、ソフト”です。

今回の記事では、無料で誰でも使える株のスクリーニングアプリ、ソフトを紹介しながら、その活用法までをお伝えしたいと思います。

これらを使いこなすことで、銘柄を絞り込むことができ、よりタイムリーに儲かる銘柄を見つけやすくなると思います。

いろんな条件で何度も試しながら、あなただけの「スクリーニング条件」を発見していただきたいと思います。

この記事を読んで得られること
  • 無料で株の銘柄をスクリーニングできるソフトやアプリがわかる
  • それぞれのアプリの具体的な使い方がわかる
  • 「業績」「順張り」「逆張り」「乖離率」など、投資目的にあわせたスクリーニングのコツがわかる

僕がおすすめする、株の無料スクリーニングアプリ、ソフトの紹介

まずは僕がおすすめする、無料の株スクリーニングアプリ、ソフトを紹介いたします。

FISCO(フィスコ)の株スクリーニングアプリ

金融情報提供会社の大手で上場している「FISCO(フィスコ)」が提供している無料アプリです。

スクリーニング機能だけではなく、アナリストが選んだ「おすすめ銘柄」や、「話題のテーマ」「関連銘柄」など投資の参考になる情報が得られます。≪Tunesプレビューより引用≫

スクリーニングの種類としては「基本」「ファンダメンタルズ」「テクニカル」「おすすめ」という4つに分類されています。

中でも「おすすめ」は、FISCOのアナリストがスクリーニング条件を提供していて、とても参考になるのではないかと思います。

このアプリは「App Store」「Google play」からダウンロードできます。

また、パソコンで見ることができる「ウェブブラウザ版」も用意されています。

「ウェブブラウザ版」でもスマホアプリ同様に情報を閲覧することができます。

 

ザラ場、パソコンで売買をしている方は、ブラウザ版をメインで使い、お勤めの方や、外出が多い方はスマホアプリを活用することをおすすめします。

みんなの株式スクリーニングソフト

個人投資家に人気のある、株のSNSサイト「みんなの株式」が提供しているスクリーニング機能です。

「みんなの株式スクリーニング」

「みんなの株式」では、「株テーマから探す」「企業の業績から探す」「株価の値動きから探す」「チャートの形から探す」という、4つのスクリーニングテーマから銘柄を探し出すことができます。

 

今、株式市場でにぎわっているテーマ株を探す場合は、「株テーマから探す」から銘柄をスクリーニングしてみてください。

 

企業の業績重視で銘柄を探したい場合は、「企業の業績から探す」から銘柄をスクリーニングしてみてください。

 

テクニカル分析(チャート分析)を駆使して銘柄を絞り込みたい場合は、「株価の値動きから探す」銘柄をスクリーニングしてみてください。

 

こちらもテクニカル分析(チャート分析)になりますが、ローソク足の形状で銘柄を探したい場合に「チャートの形から探す」から銘柄をスクリーニングしてみてください。

 

「みんなの株式」は、スマートフォンアプリでも提供されていますが、現在のところ、スクリーニング機能についてはアプリ版での提供は無いようです。

ただ、みんなの株式独自の目標株価や、みんなの株式の会員が投稿する「銘柄の売買予想」を閲覧することができるので、投資の参考になると思います。≪Tunesプレビューより引用≫

「みんなの株式」スマホアプリは、「App Store」「Google play」 からダウンロードできます。

トレーダーズWEBスクリーニングソフト

株式情報サイト「トレーダーズWEB」が運営しているスクリーニングソフトです。

「トレーダーズWEBスクリーニング」

「トレーダーズWEB」のスクリーニングソフトでは、「25日平均からの乖離率」「引け値と25日移動平均の陽転、陰転」「MACDの買い、売りサイン」「一目均衡表の雲抜け」などと同時に「PER」「PBR]「EPS」「経常増益率」など複合条件の検索が可能なのが特徴です。

個人投資家が売買判断として良く使う条件設定で簡単に絞り込みができるようになっており、このスクリーニング機能に慣れてくればより売買チャンスが広がるはずです。

トレーダーズWEBのスクリーニング機能の「アプリ版」は、残念ながら提供はありません。

株探スクリーニングソフト

個別銘柄の材料やニュース、決算速報が充実しているのが「株探」というサイトです。

「株探スクリーニング」

僕自身、このサイトを良く活用しているのですが、「株探」にも「銘柄探検」という株のスクリーニング機能があります。

 

「株探」で使っていただきたいのが、企業業績でのスクリーニング機能です。

以下のような銘柄を“ワンクリック”で表示させることができます。

≪業績上方修正が有望銘柄≫
【第1四半期】時点 中間期上振れ 有望銘柄
【第1四半期】時点 通期上振れ 有望銘柄
【中間期】時点   通期上振れ 有望銘柄
【第3四半期】時点 通期上振れ 有望銘柄

≪今期【最高益更新】銘柄
 最高益を見込む【増益率】ベスト100
【連続最高益】銘柄リスト
 最高益“大復活”銘柄リスト

上昇する株を見つけるためには、やはり「業績」を抜きには語れませんので「株探」の企業業績に関するスクリーニング機能を積極的に活用してみてください。

株探のスクリーニング機能の「アプリ版」は、残念ながら提供はありません。

 

目的別 株スクリーニングのやり方

ではこれから、目的別の株のスクリーニング方法についてお伝えします。

基本的に僕がやっている方法をお伝えしますが、これが正解ということではありませんので、いろいろ試してみてください。

売り上げ、経常利益が伸びている会社をスクリーニングする

会社の売り上げ、経常利益が年々伸びている会社は、企業の価値が上がるため、当然、株価も上がりやすくなります。

したがって、今後も業績が伸びる会社を見つけることが株式投資を成功させるための条件になります。

そこでこれまで紹介した、株スクリーニングアプリ、ソフトを使って、会社の売り上げ、経常利益が伸びる可能性のある銘柄をスクリーニングしてみましょう。

企業業績重視のスクリーニングは「株探」を使う

売り上げ、経常利益を重視した株のスクリーニングは「株探」の「ファンダメンタルズで探す」を使ってスクリーニングをするのがおすすめです。

ワンクリックで対象銘柄が表示されるのでとても分りやすく使いやすいですね。

僕は、「業績上方修正が有望銘柄」を良く使います。

なぜなら業績上方修正はダイレクトに株価が反応するからです。

業績上方修正の可能性が高そうな銘柄を事前にピックアップしておくと良いでしょう。

一株あたり利益(EPS)の変化率に着目

これも「企業業績」に関するスクリーニングですが、「一株あたり利益(EPS)」の変化率にも着目していただきたいと思います。

このスクリーニングは、「FISCO」のスクリーニングアプリ、ソフトを使います。

「一株あたり利益」の変化率が大きいということは、株価が割安になる可能性を秘めています。

株価の割安、割高を測る指標に「PER」という指標があります。

これは“株価/一株あたり利益”で算出されるので、「一株あたり利益」が大きく変化すれば、その銘柄は相対的に割安と判断される可能性が高まります。

よって株価上昇につながる可能性が高まるのです。

テクニカル分析での「順張り銘柄」をスクリーニングする

株価の上昇トレンドに沿って「買い」を入れることを「順張り」といいます。

現時点より株価がさらに上昇すると考える場合、「順張り銘柄」をスクリーニングしてみてください。

「株探」の「トレンド追随型」からスクリーニングしてみる

テクニカル上の「順張り銘柄」を探す場合、まずは「株探」の「トレンド追随型」を使ってみてください。

6種類のスクリーニング項目がありますが、「買い」を考える場合は、「一目均衡表3役好転」「新値3本足陽転」を使ってください。

「パラボリック」は僕はあまり使いません。

 「一目均衡表3役好転」をクリックしますと、以下のように銘柄が表示されます。

「空売り」から入りたい場合は、 「一目均衡表3役陰転」「新値3本足陰転」でスクリーニングしてみてください。

トレーダーズWEBのテクニカル指標でスクリーニングしてみる

次に「トレーダーズWEB」のソフトを使って「順張り銘柄」をスクリーニングしてみます。

使う項目は「25日移動平均線」「トレンド(25日)」です。

「買い」を考える場合は、25日移動平均線を「上」、トレンド(25日)を「上昇」を選択して検索してください。

すると以下のように銘柄が表示されます。

この中から投資対象を絞ってみてください。

「空売り」から入る場合は、25日移動平均線を「下」、トレンド(25日)を「下降」を選択してみてください。

テクニカル分析での「逆張り銘柄」をスクリーニングする

株価が下落する中、「買い」を入れることを「逆張り」といいます。(空売りはこの逆)

「逆張り」は株価の動きとは反対方向にポジションを持つためリスクが高くなる分、上手くいけばより有利な価格でポジションを持つことができる手法です。

株のスクリーニングソフトを使って、「逆張り銘柄」を探してみましょう。

「株探」の「オシレーター系指標の指標」を使ってスクリーニングしてみる

「逆張り銘柄」を探す場合の代表的なオシレーターの指標に「RSI」というテクニカル指標があります。

「買い」を考える場合には「RSI(14日線)20%以下」、「空売り」を考える場合には「RSI(14日線)80%以上」に該当する銘柄が「逆張り銘柄」の候補になります。

では「買い」を前提に「RSI(14日線)20%以下」をクリックしてみると以下のように銘柄が表示されます。

「空売り」から入りたい場合は、「RSI(14日線)80%以上」をクリックしてみてください。

「RSI」を使った「逆張り銘柄」は、「みんなの株式」でもスクリーニング可能です。

「買い」を考える場合は「売られ過ぎ銘柄」、「空売り」を考える場合は「買われ過ぎ銘柄」をクリックしてください。

この二つのサイトのスクリーニング条件は同一ではない可能性があり、表示される銘柄が異なる場合がありますが、どちらが正しいとか間違っているといったことではありません。

トレーダーズWEBの「乖離率」を使ってみる

次に、25日移動平均からの「乖離率(25日)」を使ってスクリーニングをしてみましょう。

この場合の「乖離率(25日)」とは、25日移動平均から上下どちらかに大きくかけ離れた状態をいいます。

基本的に短期的な相場の動きは「回帰性」があるといわれていることから、25日移動平均からかけ離れた株価は、移動平均線に回帰すると予測されることから「逆張り」の投資戦略に利用されます。

以下、ソフトバンク(9984)の日足チャートです。

25日移動平均線(緑)から離れた株価は、また移動平均線に回帰しています。

「乖離率(25日)」を使う逆張りのスクリーニングは、この「回帰性」を利用しているのです。

では、トレーダーズWEBのスクリーニングソフトを使ってやってみます。

ここでは「乖離率(25日)」15%以上でスクリーニングをしてみます。

すると以下のように、銘柄が表示されます。

どのくらいの「乖離率」が戦略上有効かは、相場環境よって変わってきますので一概にはいえませんので、パラメータをいろいろ変えてみてスクリーニングしてみてください。

アナリスト独自のスクリーニング条件でスクリーニングしてみる

「FISCO」の株スクリーニングアプリでは、FISCO在籍のアナリストのスクリーニング条件で銘柄を探すことが可能です。

「検索条件の追加」⇒「おすすめ」⇒3通りの条件を選択することができます。

 

今回は「好業績、高ROE銘柄に注目(小中)」でスクリーニングしてみます。

左下の入力フォームで条件を変えることもできますので、いろいろ試してみてください。

ローソク足のパターンでスクリーニングしてみる

テクニカル分析では、ローソク足のパターンから相場の先行きを読み解く「パターン分析」が良く行われます。

たとえば「はらみ足」「赤三兵」「明けの明星」「毛抜き天井」など、いろんな名前が付けられています。

このようにローソク足の「パターン分析」をスクリーニングしたいとき、「みんなの株式」のスクリーニング機能が便利です。

「スクリーニング」⇒「チャートの形から探す」⇒いろんなローソク足のパターンからスクリーニング可能です。

 

今回は「切込み線」を選択します。

以下のように該当する銘柄がチャート付きで表示されます。

チャート分析は、個人投資家に人気のある分析手法ですので、このソフトを使って売買チャンスを増やしていただきたいと思います。

 

株スクリーニングアプリ、ソフトを使う上での注意点

ではこれから、株スクリーニングアプリ、ソフトを使う上での注意点について触れていきたいと思います。

スクリーニングされた銘柄は、あくまで絞り込みの第一段階であり、即投資をするのは適切ではありません。

「企業業績」や「テクニカル分析」などのさまざまな条件でスクリーニングされた銘柄から、さらに一つ一つの銘柄を吟味して最終的に数銘柄まで絞り込んでから実際に投資をすべきでしょう。

スクリーニング条件にヒットした銘柄は、まだ粗削りの状態です。

あくまで3500銘柄から「第一段階の絞り込み」だとお考えください。

 

まとめ

4種類の株スクリーニングアプリ、ソフトの特徴、活用法についてご紹介をしてきました。

スクリーニングに関する条件設定に正解はありません。

また相場の局面によってスクリーニング条件も変わってきます。

さまざまな角度からスクリーニング条件を数多く試していただき、あなただけの「お宝条件設定」を探し出していただきたいと思います。

紫垣 英昭

この記事をかいた人

投資家 / オープンエデュケーション株式会社代表取締役。1964年大阪生まれ。甲子園出場経験者。大学卒業後、証券会社に勤務し、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を担当。証券会社退職後、株式投資をはじめ、 日経225先物、FX等の売買指導を行い、個人投資家から絶大なる信頼を得ている。証券会社時代に培ったスキルを投資初心者でも理解できるよう売買指導を行い、今では3000人以上の受講生を抱え、「真に自立できる個人投資家」を輩出するために積極的に活動している。著書に『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』(幻冬舎)『億を稼ぐ投資法則』(ユウメディア)『少額資金で儲ける株ゴー ルデンルール』(ユウメディア)がある。