選挙を活用して株で儲ける“投資戦略”と“厳選5銘柄”とは

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紫垣英昭

昭和62年証券会社に入社し事業法人、金融法人、ディーラー経験
現在、延べ2万人近くの個人投資家に日本株の売買指導を行っている。
3年前より「全方位型トレード・システム」を提唱し、多くのプロトレーダーを育成。
著書3冊を出版、新聞、雑誌の執筆や講演も多数あり。
著書紹介

あなたは“選挙と株式市場との関係”についてご存知ですか?

もしあなたが、これから株式投資を始めるのであれば、また株式投資経験があるものの、なかなか成果が上がらないのであれば、これからご紹介する記事は、きっとあなたに大きな利益をもたらすでしょう。

2000年以降、6回の衆議院選挙が行われましたが、6回のうち5回はその後、日経平均株価は上昇しています。

株式投資の格言で「衆議院選挙は買い!」といわれる所以がここにあります。

これほどまでに“高勝率”な勝負ができるなら、選挙を活用して株に投資して利益を上げたいと思いませんか?

そこでこの記事では、選挙と日経平均株価の関係性をもとに、どのような投資戦略を考えるべきか?そして、選挙が行われるときに株価上昇が見込める“厳選5銘柄”を、株のチャートを交えてご紹介したいと思います。

この記事を読んで得られること
  • 選挙と日経平均株価の関係がわかる
  • 衆議院選挙を活用した投資戦略を学べる
  • 衆議院選挙を活用した投資戦略による利益を得やすい“厳選5銘柄”がわかる

衆議院選挙後の日経平均株価の動き

2000年以降、衆議院選挙は6回行われましたが、その前後、日経平均株価はどのように動いたかを実際のチャートを使って、その“関係性”を確認したいと思います。

2000年6月2日解散、25日投票 第2次森内閣

解散時の日経平均株価は16,682円、その後、17,661円まで株価は上昇しましたが、それ以降は下落トレンド入り。

2003年10月10日解散、11月9日投票 第2次小泉改造内閣

解散時の日経平均株価は10,786円、その後株価は上下を繰り返しながら、半年後には12,100円まで上昇

2005年8月8日解散、9月11日投票 第3次小泉改造内閣

「郵政解散」として有名。解散時の日経平均株価は11,614円、翌年4月には17,563円の高値を付けました。

2009年7月21日解散、8月30日投票 民主党政権発足

自民党惨敗で、民主党政権発足。解散時の日経平均株価は9,508円、翌年初めには11,000円近くまで上昇しました。

 

2012年11月16日解散、12月16日投票 第2次安倍改造内閣

「アベノミクス相場」として株価は急上昇しました。
解散時の日経平均株価は8,898円、その後、2015年には20,952円まで大きく上昇しました。

2014年11月21日解散、12月14日投票 第2次安倍改造内閣

解散時の日経平均株価は17,108円、その後、2015年には20,952円の高値を付けました。

2000年の森内閣は、政権発足直後から株価は大きく下落しましたが、その他の政権では株価は堅調に推移しています。

特に、2005年8月の小泉政権時の「郵政解散」後の強烈な株価上昇や、2012年12月、民主党政権から政権を奪取した安部総理が掲げた「アベノミクス相場」は記憶に新しいところでしょう。

 

歴史は繰り返す!なぜ衆議院選挙で株が上がるのか?

過去の衆議院選挙と日経平均株価の“関係性”を見ていただきましたが、では、そもそもなぜ、衆議院選挙が行われると、日本株は上昇するのでしょうか?

この点について、僕なりの考えをお伝えしたいと思います。

政策による期待感

衆議院選挙では、与野党が“公約”を掲げ、熾烈な選挙戦を行いますが、当然“有権者受け”する政策が票の獲得につながります。特に、バブル崩壊以降、日本経済は長い不況に入り、国民生活は所得が減少し、苦しい状態が長く続きました。

したがって「経済優先」の政策が票につながりやすい土壌になっているため株価にとってはプラスに働きやすくなります。

特に「自民党政権」は各経済団体ともつながりが深いため、財界にとってメリットのある政策実行が期待されることから株価が高くなる傾向にあるといって過言ではありません。

政治的安定が、外国人投資家を呼び込む

東京株式市場における、外国人投資家の影響力が強大であることは、疑いの余地はありません。

現在、東京株式市場で取引されている売買代金の60%前後は、外国人投資家経由の売買だといわれています。

外国人投資家の「買い」が大きくなれば相場は上昇し、逆に「売り」が多くなれば相場は下落する傾向は強く表われます。

以下のグラフは、僕のオリジナルのものですが、実は2001年1月から毎日16年間、寄り付き前に発表される「外国人売買動向」と日経平均株価の動きをグラフ作成しています。

この長期間の進捗を見る限り、外国人投資家が買い越し基調なら相場は強く、売り越し基調なら相場は弱くなることが明確に表れています。

衆議院を「解散」させることができるのは“総理大臣”であり、基本的に選挙をして勝てる見込みがあるから「解散」というカードを切るのですが、その意図は“政権維持”にあります。

政権が安定するということは、基本的に経済運営が上手くいっているということになり、株価も安定しています。

このような状態は、投資をするのに良い環境であり、外国人投資家のさらなる投資を呼び込みやすくなります。これが株式市場が上昇する大きな要因だと考えられます。

「選挙は買い」を、みんなが信じている

2000年以降の衆議院選挙と日経平均株価の“関係性”では、かなりの高確率で株高につながっています。

実はこのことは、2000年以降に限った話ではなく、戦後行われた過去の衆議院選挙でも同じようなことがいえるのです。

ということは「過去の経験則」により、多くの投資家は、衆議院解散の可能性が強まると「株は上がる」という考えから「買い」に入るため、株価が上がりやすくなるといえるのではないでしょうか。

「選挙は買い」という相場格言は、かなり信頼性の高い格言だと思います。

 

「衆議院選挙時」の投資戦略

ではこれから「衆議院選挙時の投資戦略」についてお伝えしたいと思います。これからお話しする投資戦略は、未来に行われる選挙時に使える「投資戦略」です。

衆議院選挙は、毎年行われるものではありませんが、今後、衆議院解散が近くなれば、これからお伝えする方法を思い出していただきたいと思います。

「解散風」を察知したら「買い」に入る

あなたは「解散風」という言葉をしっていますか? 選挙を勝つためには「準備」が必要になります。つまり衆議院解散が近くなれば、現職の国会議員は地元に帰り、近々行われるであろう選挙準備に入ります。

このような動きは、政治記者に察知され「衆議院解散も近いかもしれない」という雰囲気に覆われます。この空気感のことを「解散風」というのです。

一度吹いた「解散風」は、収まりみせることなく衆議院解散となり選挙が行われることから、株の買い材料になります。よって「解散風」を察知したら、株を買う態勢を整えるべきでしょう。

1度の衆議院選挙で使われるお金は、約700億円

一度の衆議院選挙で使われるお金は現在、約700億円前後です。これは選挙時の候補者のポスター代や、看板、事務所、街宣車など選挙で必要なものに使われます。

しかもこのお金は、解散から投票までの約1か月前後で費消されますので、関係する企業にとっては短期的に大きな売り上げになるため、株価に対するインパクトも大きくなります。

のちほどご紹介する“厳選5銘柄”は、その恩恵を受けやすい銘柄であるといえるでしょう。

短期勝負なら「解散前」に買って、「投票日直前」に利益を確定しておく

1か月前後での短期勝負なら“解散風”を察知した「解散前」に株を買って、「投票日直前」に利益確定することが良いとされています。

下記は、自民党政権から、民主党政権への移行を決めた時の日経平均株価の動きです。

衆議院解散から投票日まで、株価は堅調に推移したものの、投票日以降はいわゆる“材料出尽くし”となり、短期的に株価は下落しています。

衆議院選挙の投票日は、日曜日であることが多いため、その直前の金曜日には売却するという戦略を持っておくべきでしょう。

「噂で買って、事実で売れ」という相場格言にもあるように、投票が終わってしまえば“材料出尽くし”となるため、短期的に利益確定売りに押されるため、その直前に利益確定しておく方が良いとされているからです。

「長期投資」を考えるなら、新政権が決まったあとに注目しておく

選挙が終わった直後“材料出尽くし”により株価が下落することは事前に考えておかなくてはなりません。

しかし相場が下落した後、外国人投資家を含めた大口投資家が買いに入り、再び株価が上昇することは過去の経験則で起きていることです。

したがって「長期投資」を考える投資家は、解散前に資金の3分の1程度を使って買いに入り、その後の株価が一時的に安くなったところで買い増しすることが良いのではないかと考えます。

ただし、リスク許容の範囲を超えた場合、損切りをしなくてはならないことはいうまでもありません。

 

「解散風」が吹いたとき、買っておきたい“厳選5銘柄”

ではいよいよ、「解散風」が吹いたとき、どのような銘柄を買えば良いのかということについてお伝えしていきましょう。

以下に挙げた“厳選5銘柄”は、選挙で使われる約700億円の恩恵を受けやすい銘柄です。つまり今後、選挙が行われるたびに、何度も売買可能な銘柄であると思ってください。

また下記の5銘柄以外にも、選挙で恩恵を受ける企業は存在しますので、それを知りたい方は、グーグルなどで「選挙 関連銘柄」で検索すれば候補となる銘柄が出てきますので調べておくのも良いでしょう。

カドカワ (9468)

2014年10月1日、株式会社KADOKAWAと株式会社ドワンゴが経営統合し、2015年10月に社名を「カドカワ株式会社」に変更しました。

ドワンゴで扱っている日本最大級の動画サービス「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」では、政治チャンネルがあり、政治家による動画配信や生放送が行われています。

また選挙チャンネルもあり、政治家同士が討論する番組を配信したり、開票時の生中継等を行っていることから、思惑を呼び選挙時に買われやすい銘柄のひとつです。

(出所:Yahooファイナンス)

 

西尾レントオール(株) (9699)

関西に拠点を置く総合レンタル会社。建設・産業用機械、通信情報器具、イベント用品などあらゆるレンタルを行っています。

選挙関連用品のレンタル業務も行っており、選挙の時期には選挙事務所を設営する際の机やいす、街頭演説の際の拡声器などのレンタル需要が増えるので、株価が上がる傾向にあります。

(出所:Yahooファイナンス)

 

グローリー(株)(6457)

金融機関向けの通貨関連機器の開発・製造及び販売・メンテナンスを行う会社。本業では硬貨や紙幣等を数えるATMや釣銭機などの機械を作成しています。

選挙関連の機器では「投票用紙の自動交付機」で、裏表、天地の自動ぞろえをして手書き文字を両面読み取りし、多事記載(余計な事が書かれていないか)のチェックまでしてくれる読取分類機、それと毎分1500枚のスピードで投票用紙を自動計測してくれる自動計数機など、人的作業を軽減し、ミス防止に配慮して、投票・開票作業をスムーズに行うためにあらゆる工夫がされた機器・用品を開発しています。

(出所:Yahooファイナンス)

 

デジタルガレージ(4819)

IT関連で多岐にわたって事業を行っている会社・事業持株会社。米Twitter社と資本・業務提携し、Twitter日本語版を公開している会社です。

日本では、2013年に「インターネット選挙運動」が解禁となったため、TwitterやFacebook等のSNSで選挙運動ができるようになりました。そのため、日本語版Twitterを扱っている同社の株価は、選挙時には思惑により上昇する傾向にあります。

(出所:Yahooファイナンス)

 

りらいあコミュニケーションズ(株)(4708)

コールセンターの受託運営・設置・人材育成などを行う、テレマーケティング会社の大手。旧社名「株式会社もしもしホットライン」

1988年から政治や政局に関する世論調査を行っている会社で、コールセンターの設置・運営、顧客対応代行、リサーチやデータ分析なども得意としています。

選挙の際は支持率などを調べるために世論調査の依頼が入るので、株価が上昇しやすい銘柄です。

(出所:Yahooファイナンス)

 

上記銘柄の「エントリー」と「利益確定」のタイミング

では上記5銘柄の売買タイミングについて、お伝えしたいと思います。

“絶好のエントリータイミング”とは

先ほど「衆議院選挙時の投資戦略」でもお伝えしましたが、上記5銘柄の絶好のエントリータイミングは「解散風」が吹いたときです。

この情報はニュースを見ていれば、なんとなく察知することは可能です。

2017年9月25日、安倍首相は衆議院解散する意向を表明する記者会見を行いましたが、すでにその10日前から解散の噂は出回っていました。つまりその時こそ“エントリータイミング”ということになります。

これからは、政治の動きを敏感に察知することを心がけてください。

投票日までに、利益を確定しておく

選挙を利用した投資戦略では、ズルズル利益確定のタイミングを引きずることは感心しません。

上記のような「特需」による相場は足が速い傾向があり、材料出尽くしで売られる一足先に売却しておくことが賢明なのです。

投票後も株価が強く上昇するなら、また買えば良いので、先ずは投票が行われる直前の金曜日までに利益を確定しておくようにしてください。

まとめ

今回は、衆議院選挙を活用し、株式投資で利益を得るための「投資戦略」と選挙で恩恵を受けやすい“厳選5銘柄”についてお伝えしました。

衆議院選挙は一度やってしまえば、その後は数年行われません。しかし、次回も必ず衆議院選挙は行われます。

僕たち投資家にとっては、数年おきに来る“投資のチャンス”なのです。

次回の選挙で、今回ご紹介した「投資戦略」を、あなたの投資に活用していただければ嬉しく思います。

紫垣 英昭

 

この記事をかいた人

投資家 / オープンエデュケーション株式会社代表取締役。1964年大阪生まれ。甲子園出場経験者。大学卒業後、証券会社に勤務し、事業法人、金融法人営業、自己売買部門を担当。証券会社退職後、株式投資をはじめ、 日経225先物、FX等の売買指導を行い、個人投資家から絶大なる信頼を得ている。証券会社時代に培ったスキルを投資初心者でも理解できるよう売買指導を行い、今では3000人以上の受講生を抱え、「真に自立できる個人投資家」を輩出するために積極的に活動している。著書に『初心者でもがっぽり儲かる大化け「低位株」投資法』(幻冬舎)『億を稼ぐ投資法則』(ユウメディア)『少額資金で儲ける株ゴー ルデンルール』(ユウメディア)がある。